2017年3月期 第3四半期 総括

勝栄二郎氏(以下、勝):私の方から、今期の第3四半期までの業績につきましてご説明いたします。

売上高は1,136億円。営業利益が31.6億円ということで22.5パーセント減少しております。とくに第3四半期でみますと、収益率が16.0パーセントでございます。営業利益もマイナス10パーセントということで第3四半期は終わっています。

それぞれ分野についてご説明いたします。まず、モバイルの分野ですが、去年12月末に171万回線を突破いたしました。対前年の12月末と比べますと、63.7万回線増加しております。率にしますと59パーセントでございます。

売上高は、9ヶ月で191億でございます。これは対前年同期で78パーセント増です。特徴といたしましては、1つは個人向けシェアが1位になっておるということです。また、もう1つはMVNE顧客数は124社に達して、30社増えております。

次はクラウドでございます。クラウドの9ヶ月の売上ですけれども、売上高は115.9億円でございます。対前年同期比で11.6パーセント増加しております。特徴としまして、大企業の基幹システムクラウド化の案件が増加したということと、久方ぶりに大口売上が増えたということがあります。

もう1つが、GIO P2の引き合いが約900件と伸びてきております。さらに最近、話題になっております自治体情報セキュリティクラウドについても複数件の受注があります。まさにネットワークとクラウドのセキュリティをコンバインしたものでございます。1件当たり、多いもので1億円以上の月額のサービスでございます。

次はセキュリティでございます。この売上は累計で59.8億円でございます。対前年比2.7パ―セント増。また、特徴といたしましては、C-SOCというサービスを今期中に開始するということです。

次は、IoTですけれども、去年の12月からサービスが開始しました。前から言っております予兆検知・分析等の商談が増えてきております。これからというサービスですね。

最後が配信でございます。こちらもこの前申し上げましたが、12月に日本テレビと合弁会社を作りまして動画配信を強化するということで、ほかの民放会社にも声をかけさせていただいております。

私からは、以上でございます。

2017年3月期 第3四半期 連結業績 サマリー

渡井昭久氏(以下、渡井):それでは続きまして、私のほうから、第3四半期業績のサマリー、詳細ということでお話をさせていただきたいと思います。

まず3ページ目に記載しておりますのは、3Q業績の再掲でございます。コメントのとおり、売上高の伸びというのが高く見られてきているといったような状況でございます。

営業収益(売上高)の推移

まず、売上高の伸びを四半期ごとに示したものが4ページ目でございます。3Q累計での売上高の伸びは14.3パーセント。

昨年度の3Qでの伸びが13.1パーセントということですので、昨年度にも増して、増収が強まってきているといったようなところです。

増収の内訳としては、継続的な売上と一時売上ということで分けておりますけど、まずストック売上。月額で継続的に積み上げている部分でございますが、こちらの伸び率が14.3パーセント。売上の構成比としては、83パーセント強といったような推移となります。

それからシステム構築等の一時売上につきましても、3Q累計で14.2パーセントと、ともに強い売上の伸びを示しているといったような状況でございます。

売上原価・売上総利益率の推移

続きましては、原価・粗利の状況ということでございます。原価の絶対額につきましては、売上の伸びに応じて、順次増加しているといったような状況でございます。

粗利の率につきましては、この折れ線グラフに示していますとおりでございます。

ピンクの折れ線グラフはネットワークサービスの粗利の率。青い折れ線グラフがシステムインテグレーション(SI)の粗利の率というところでございます。

ネットワークサービスの粗利の率については、モバイルも内包しておりまして、モバイルの粗利の率は全体のネットワークサービスの若干低いところにあります。3Qで16パーセントくらいですけど。

ということで、徐々に粗利の率は低下してますが、粗利の額は前年増しで継続しているといったような状況でございます。

システムインテグレーションの粗利の率、このあたりが今期低下しているということで、2Qになったときの業績修正が、かなりの要因でありますけども、2Q、3Qで見るとまだ粗利率の改善はまだ見えてこないということでございます。

ただし上期にありました、販売稼働率が低下しているといったところですけど、12月に向けては、このあたりは改善をしてきているといったような状況です。ただし、3Qフルには寄与していないと。

それ以外に少し利益が低い部分、FX等があったということと、この3Qで特徴的だったのが、SIの仕掛かりの部分ですね。

4Qに上がる部分の案件がかなり仕掛かりとして内包しています。

仕掛かりの部分というのは、利益は研修時に上がりますので、そのあたりで少し利益率が下がっているというようなところでございます。その分、4Qの利益率は上がっていくかというような認識をしております。

ネットワークサービス ① 売上高の推移

続きましては、売上でネットワークサービスごとのブレイクダウンということで、見ていただければと思います。

棒グラフ下から2つは法人向けインターネット接続サービスということでございますが、モバイルが順調に伸びているということで、法人向け、個人向けともにコンスタントに四半期ごとに見ても、売上を伸ばしていけてるといったところでございます。

それから、3Qで特徴的だったのが、黄色いアウトソーシングサービスのところですね。四半期単位で見ていただくと、2Q単位でかなり売上の伸びが出てきていると。

このあたり、冒頭にありましたとおり、セキュリティ系の売上の積み上げが進んできています。

あるいはクラウドの部分、ゲーム系の部分がこのなかで多く含まれておりますけど、このあたりの伸びも2Q、3Qでは出てきているというところでございます。

ここのベース売上が伸びていくと4期以降も非常に心強く伸びていくんじゃないかなと考えております。

ネットワークサービス ② 原価の推移

それからネットワークサービスの原価でございます。

見ていただいているとおり、回線などの設備等のコストについては昨年単位では継続的に新たな事業投資等、しているなかでは増加しておりますけど、四半期単位では大きな変化はなく増加、推移をしているというようなところでございます。

外注関連費といったところは、この部分はモバイル等でかかる部分が多いんですけど、そのあたりは売上の伸びに応じて増加をしているというようなところです。

それからもう1つ、上半期のときに新しいサービス、IIJ Omnibusです。このあたりの伸びが、前期比では利益的には足を引っ張っている部分もあるということでしたけど、このあたりでの前期比でのモバイルの利益のマイナス影響というのは、2Q・3Qでいうと、拡大せずに売上が増加していく中で、徐々にこういった影響は減らしていけているのかなという状況でございます。

システムインテグレーション(SI)①売上高・受注等の推移

続きまして、システムインテグレーションの売上の状況でございます。

上段がシステムの構築というところでありますけれども、この3Qは以前から申し上げておりました、ラオス向けのコンテナDCの納入がなされまして、売上としても計上されております。約12億強くらいの規模の案件になっております。

そのあたりで3QのSI構築が伸びてきていると言えるというところでございます。

SI構築の受注残高は109億円強と昨年度の3Q末の受注残高と比べてほぼ同水準ということで、このあたりは4Qに実現していくような内容が多く含まれているといったところでございます。

以前から申し上げております、神奈川県向け「情報セキュリティクラウド」は月額で大きく入ってきますけれども、4QにおいてはSIの構築でフロントの作業が発生するような大型案件が4Qに控えている状況になっております。

最後、運用保守につきましては、下段にありますけれども、売上を見ていただくと、この上期は少し個別の大口案件の解約が上期影響であったということですけれども、2Q・3Qはまた継続的に積み上げて伸びていく様相が復調してきているところでございます。

先ほどのアウトソースも含めて、こういったストックがコンスタントに伸びていく姿といったものが4Qあるいは来期に向けても非常にいいサインとして出てきたといったところかなと思います。

もう1つ、スライドの一番下に書いてありますけれども、国際事業でございます。国際事業はネットワークサービス・SIともに売上計上されますが、どちらかというとSI側が多い売上になっております。

先ほどのラオスの部分もありますので、国際は3ヶ月間では黒字化をしているというところで、ほぼ期初計画どおりに推移をしているといった状況でございます。

システムインテグレーション(SI)②原価の推移

SIの原価につきましてはグラフのとおりで、原価も変動している要素が強いといったところかと思います。

連結従業員数の推移

それから従業員の数でございますが、3,108名といった規模で推移しております。

2Q・3Qで対比すると若干2Q比が下がっているんですけど、これは子会社サポート部門の人員、これは業務効率もふくめてタイトに運営しているということで、若干その部分での人員は減っていますけれども、全体的には事業規模拡大の中で、継続して採用活動を続けてきているといったようなところでございます。

販売管理費・研究開発費(SG&A)の推移

それから販売管理費でございますけれども、この3Qはトータルで47.7億円と、3Q対比が若干低減したようなかたちで推移をしております。

まあ業績修正もありまして、とくに予算のなかでしぼれるところはしぼった運用をしているといった面もございますので、2Q対比若干低減しながら推移しているというようなところでございます。

営業利益・当期純利益の推移

そのような結果で営業利益・当期利益がグラフに示すような内容になっています。

11月に業績修正を出しまして、この3Qの利益の着地というのは、ほぼそのときに見立てた水準から乖離なく推移をしているといったような状況になっております。

連結バランスシート(サマリー)の状況

それからバランスシートの状況でございます。

詳細は中身を見ていただければと思いますが、この中で1つ申し上げておきたいのは、棚卸資産といったところは、3月末対比では16億円弱くらい増えていると。これは昨年度の12月末対比で言えば9億円くらい増えているわけですけれども、このあたりの増えというのが、先ほどちょっと申し上げましたシステムインテグレーションに関わる仕掛り中の案件で資産が増えているといったようなところでございます。

そのあたりが4Qに実現するような要素が大きいかなと認識をしております。

連結キャッシュ・フローの状況

それから、キャッシュ・フローの状況でございます。

3Qは営業キャッシュ・フローが2Q対比でも若干下がっている部分がございます。

何点か要素があるんですけれども、先ほどちょっとありましたSIにおけるラオスのコンテナデータセンターの納入でございます。これは実際に計算が立つのは経産省のNEDOさんからになりますけれども、入金自体は導入されてから遅れてくるのでそのあたりの売掛金が、大口計上として大きかったというところでございます。

それ以外では、先ほどからありましたSIの仕掛が増加している部分、あるいは保守等の前払いの部分が増加しているということで3Qのキャッシュ・フローは若干少なめになっております。

4Qあるいは、4QでSIを実行したあとの翌1Qとかに、この分のキャッシュ・フローが入ってくるというような想定をしております。

投資キャッシュ・フロー、財務キャッシュ・フローについてはこのグラフに示す通りでございます。財務キャッシュ・フローについては借入を増やしていくと、非常に低金利で、好条件で調達できるということで借入を増やしたというようなことがございました。

CAPEX・減価償却・Adjusted EBITDAの状況

そのような結果も含めてCAPEXは、122億円強と昨年度とほぼ同程度で推移をしているということでございます。

それから先ほどから営業利益ということで申し上げておりますが、EVITDAということでは3Q累計で111億円、昨年度は113.7億円と若干ここも減益ではございますが、先行的にいろいろ投資をしていて償却が増えている部分もありますので、EVITDAとしては営業利益よりは、利益的には昨年度からさほど大きくなく推移しているところでございます。

クラウドサービスの進展

つづきましては、クラウドの進捗ということで報告をさせていただきます。

まずは3Qの売上は左上のグラフにありますけれども、1点目は大口ゲーム顧客さんの売上というのがプラスになっていて、この3Qでは3.5億円といったところでございます。私共のお客様の方でゲームがヒットしているということでクラウドの利用も活況に推移しているようでございます。

それから、一般事業法人というのが36億円と四半期ごとにコンスタントに増加をしています。顧客数もコンスタントに伸びていて、現状で1,520社というところでございます。

P2の数字関係を下の段にありますけれども、右にP2の3Qの売上がだいたい2億円弱ぐらいの規模になってきておりますが、これは四半期単位でみると2Q対比でほぼ倍増に上がってきているところでございます。

今期の期初に対しては計画比、ビハインドしている部分もあるんですけれども、コンスタントに売上を伸ばしてきているところでございます。

一方で、左側には売上とコストの関係を書いてありますが、3Q累計で前期比で売上が3.2億増えて、費用が8.7億円増えている。つまり、ここで5.5億円ぐらい前期比で利益面ではP2部分がマイナス影響を与えているということでございます。

この辺りは、事業の先行投資ということで説明いたしました通り、売上がコンスタントに上がっていくなかで前期対比のマイナスが徐々に縮小してきていて、来期になればこれがプラスに転じていくというような想定をしております。

案件についても大口の案件を順次獲得していきながら、売上の積み上げを測っていくというようなところでございます。

モバイルサービスの進捗

それからモバイルサービスのところでございます。

まず、回線数につきまして、この3Q末で171万回線といったような総回線数の推移をしております。グラフの右側には個人向け、法人向けがあります。個人向けは、IIJmioをダイレクトにあるいは代理店を経由して売っている部分があります。

それから法人向けは、法人のお客様にIoT、M2M案件で提供する部分と、MVNEで提供する部分ということで含まれておりますが、とくに今期、MVNEの伸びがコンスタントに強まっているところでございます。

先ほどシェア1位ということで申し上げておりますけれども、これはMM総研さんの調査結果によるものでございます。MM総研さんの調査結果の中には、IIJがダイレクトで売っている部分と、MVNEで我々が卸している部分。例えば、ケーブルテレビさんとかDMMさんとかそういったところを合算して、我々が全体としてシェア1位を保っているというところでございます。

それから本日、同時期に発表しておりますけれども、個人向けということで郵便局さんでの取り扱いが全国で拡大していくところでございます。まだ件数の伸びというところでは、これからですけれども、郵便局さんのお客さんというのは、非常に高齢の方が多いようでございます。

そういう意味では、MVNO市場全体の中で、郵便局さんというチャネルを振っていくと層も拡大していって。実は、高齢の方というのは、使うタイミングが若い方と若干時間帯も違いますので、我々が受け入れるトラフィックとしては非常に良いトラフィックをとっていけるのかなということで推進をしていっております。

事業の進捗は以上でございます。