第2四半期(上記)業績結果(1)
瀬戸欣哉氏:こんにちは。よろしくお願いします。それでは、2017年3月期第2四半期決算の概要をご説明いたします。
売上高は8パーセントの減収となっておりますが、このほとんどが為替と前年度までに売却していった企業との影響でほとんど説明できます。
それプラス、LBT海外事業が近年選別受注してきた関係で遅れておりますけれども、前年並みの売上と考えていいと思います。
事業利益は398億円。これは前年度の同時期とほぼ同じ数字ですけれども、中身的にはよくなったんじゃないかなと考えております。
LHT(LIXIL Housing Technology)では、昨年度エコポイントの部分があったのが、今年その部分が剥落しているのに対して、今期始まった時点ではタンクレストイレのことを心配していたんですけれども、その部分を十分補うことができる、とくに海外で、LWT(LIXIL Water Technology)全体として大きな増益を得ることができました。
一方で、タンクレストイレの関係でマーケティング費用を使う時期がちょっと遅れて、それが後半に入ったというところで、下期のほうに少しだけコストがいってしまったというところがありますけれども、上出来だったかと思います。
営業利益も当期利益の増益も、(元・中国子会社)ジョウユウの一時費用とか、そういったものがなくなったことが大きいと思います。また当期利益に関しては、ジョウユウの一過性の信用供与での損失に加えて、為替差損益の好転も入っております。
この上期の実績が増えた部分が、ほぼそのまま当期の通期での実績と考えておりますけれども、下期に関しては、先ほどお話ししたとおり、上期で使う予定だったマーケティング費用がズレてしまったことなどを鑑みまして、下期としては23億円ほど下方修正しております。
今まで以上にシンプルな組織を作っていくこと、これを継続実行していくことが重要だと考えております。
今回非常に自信が持てましたのは、LWTやLKT(LIXIL Kitchen Technology)といった自らハンズオンでやったビジネスに関して、さらに強い確信を持って伸ばすことができたということです。LHTに関しても、これまで以上にハンズオンでやっていくことで、全体の事業をよくしていくことができるんじゃないかなと考えております。
第2四半期(上記)業績結果(2)
売上に関しては、先ほど申し上げましたとおり、事業を売却した部分と為替の影響が非常に大きくて、実質の減収の部分はほぼLBT(LIXIL Building Technology)だと考えていいと思います。
LBTに関しては、厳しい見方もできるんですけれども、やっぱり今年1年間を取ってみると、去年からコモディティの価格が落ちて、新興国の景気が非常に不安定になって、それからBrexit(英国のEU離脱問題)、アメリカの大統領選挙と、非常に不確定要素があるなかで、我々としてはリスク管理に力を注ぎました。
したがって、受注に関してもある程度キャッシュ・フローの確実な、取れる事業を取っていくということをしていった結果、この時期は非常にプロジェクトの数が減ったということもあって、売上は下がっておりますけれども、ある程度はコントロールした結果かなと割り切っております。
一方で事業利益に関しては、LWTが好調にPMI(Post Merger Integration、M&A統合マネジメント)が進み、今はほとんどキャパシティが足りなくなるぐらいの売上の伸び方になっております。
一方、国内は、為替の好影響もあって粗利益率が改善しておりますけれども、マーケティングの費用等を増やした結果、減益となっております。
ただ、新商品が今回タンクレストイレ等の関係で発売が遅れたといったところの影響は、最初に当初発表していたよりはいい数字になったんじゃないかなと考えています。
第2四半期(上記)連結業績結果
すべての利益率がよくなっておりますが、このなかの売上総利益率に関しては、やはり先ほど申し上げました為替の部分がベネフィットを与えていること、それからLWT全体としてやビジネスがよくなってきていることが大きな影響を与えています。
営業利益に関しては、先ほどお話したとおり、前年同期、ジョウユウの関連で法務費用等の対応費用が非常にかかったこと。
それから当期利益に関しては、その際のジョウユウの債務の債務保証、それから為替差損などがあったので、そういった一時的なものがなくなったので、大幅に増益といったかたちになっております。
2017年3月期 通期業績予想
通期もそれをそのまま反映しているかたちになっておりますが、通期に関しては、先ほど申し上げましたとおり、上期のマーケティング費用が一部下期にきていること、それから下期に関しては多少保守的な見方をしております。
国内の需要が新築も足元、我々の観測としてちょっと、新築・リフォーム含めて、いまひとつかなというふうに見てますので、そこのスローダウンは保守的に見ました。
為替も今、ほぼ現在のレートに近いところに考えております。
資産効率強化と規律ある資本配分
資産に関しては、先ほど申し上げました、為替の影響が大きくて、円建てベースでは圧縮されたかたちになっております。
その分だけ実際の有利子負債のほうも多少圧縮されておりますので、レートとしてはあまり変わらないけれども、健全な方向に進んでいるのではないかと考えております。
株主還元
配当に関しては、昨今いろんなことがありましたけれども、安定して出すということを1つの方針にしておりますので、今回も30円というかたちで考えております。
GROHEグループの完全子会社化/社債発行
GROHEグループの完全子会社化を今回完了いたしました。これは大きく3つの目的があります。そのなかで一番大きな目的はガバナンスの改善です。
これは、我々、過去の痛い経験も含めまして、やはり海外の子会社をきっちりとしたガバナンスで見ていくという意味では、完全子会社化するのは重要と考えています。
そして同様に重要な理由としては、完全子会社化することでPMIのスピードが非常に変えられると。
やはりPMIをするためには完全にコントロールする必要があるということで、この2つが大きな理由になっています。
そして3つ目に、金融費用を大幅に削減することができたのもベネフィットになっております。
組織の見直し
組織の見直しとしては、一番大きいのはやはりレイヤーを少なくしていくことと、それからしばらくの間は、自らできるだけハンズオンで多くのビジネスを見れるようにしたいと考えております。
そのなかで、まずタイル事業をLHTからLWTに移しました。タイル事業に関しては、そもそも水周りとしての本来性格が大きいこと、それから日本では外装のタイルが多いのに対して、海外では内装のタイルのほうが需要の中心です。
タイルの事業は非常に需要が減ってきていますけれども、海外並みに内装を増やしていくってことは、これからもエコカラットとかを中心に増やしていけるだろうということで、これをLWTにするということでシナジーがより大きくなると考えています。
それからキッチンに関しても、事業をLWTのほうに移させていただきました。キッチンも、直接見ることでビジネスの改善が直接図れるようになっております。
それからLWTのアジアとLHTのアジアですけれども、LHTのアジアは、というか、LHTの海外事業はほぼアジアのみとなっております。そのなかで大きな部分は、キャプティブマーケットであるタイの工場とベトナムの工場ですので、非常に限られたオペレーションを行っているので、これはもう統一して同じ地域見たほうがいいということで、LWTとLHTのアジアを1つにしました。
株主様とCEOの価値共有
それから6月に、株主さんとやはり同じ目線でいるべきであると、長期的にこの会社の反映を株主と一緒に見ようということで、基本報酬のすべてを株式にすることを報酬委員会に提案いたしました。
報酬委員会に提案した時点で、いくつか方法はあったんですけれども、一番簡単でやりやすい方法ということで、まず基本報酬の相当額の2億円部分を第三者割当で購入いたしました。その日の時価で購入させていただきました。
そのあと、その2億円部分を毎月の給与で現金で支給してもらうということで、いわば先払いして買わさせていただきました。税金もありますので、実際は年間分よりも多く買ったということになってると思います。
キャッシュマネジメントシステム構築と余剰資金効率化
キャッシュマネジメントシステムとしては、これはリスク管理ということで、キャッシュマネジメントシステム「Regional Treasury Center」をそれぞれの地域に建てておりますが、これは日本、中国、アジア、縦割りがすべて完了しまして、米国は来月完了、運用を開始します。欧州に関しても来年運用を開始する予定です。
LIXIL Water Technology(LWT)
テクノロジー部門別の決算としては、お話ししたとおり、LWTが非常によかったと思います。
アメリカの場合は、非常に住宅着工も堅調だということもあって、アメリカン・スタンダードが7パーセント成長することができました。
それからヨーロッパに関して、現在Brexitもあり、一般的な景気としてはよくないのですけれども、5パーセント成長することができました。
ヨーロッパに関しては一番大きかったのは、従来ずっと悪かった南ヨーロッパに対してマーケティング攻勢をかけて、反転して今期から成長ができるようになったというのが、非常に大きな要因になっております。
それから、中東のアフリカ地域に関しては、中近東はさすがに地域として今非常に不安定さが進んでいますので、かつてほどの成長はできなくなっておりますが、唯一の赤字事業であったアフリカのGROHE DAWN事業が8月に黒字に転換しております。これでLWTに関しては血を出している事業は1つもなくなるといった状況になっております。
アジアに関しては、中国を中心に需要が急速に伸びております。日本も「サティス」の件があったにもかかわらず、売上としては非常に難しい状況にありながらなんとか増やすことができたというのは、LWTにとっては非常に大きなゲインだと思っております。
ここまでよくなるというのは、もしかしたらみなさんの予想のところになかったかもしれませんけれども、実は衛生陶器に関してはもはや量が足りないような段階になってきております。
アジアでは、ベトナム7工場のうち遊休であった2工場の再開を決めまして、先月から1工場を動かし、もう1工場は来年の1月動かす予定です。そのほかにも、タイの工場、それから中国の工場、それからメキシコの工場も、設備を増強して供給を増やさないと追いつかないという状況になっております。
今までですと日本向けも中国やベトナム工場からの供給が多かったのですが、これも足りなくなってきましたので、日本も増産して日本向けは日本でやっていかないといけないというぐらい、今、急速に衛生陶器に関しては売上が伸びております。
LIXIL Housing Technology(LHT)
一方、Housingのほうは、前年同期にエコポイントがあって、前年同期よかったのがなくなったものですから、減収しております。
また、ハイビックも売ったこともあって、売上予想としても下がっておりますけれども、後半、マーケティングを中心にリフォームのビジネス、それから今のZEHに対する対応等を考えて盛り返していくことを計画しております。
ただ、LHTに関しては、正直言って今までLWTほど直接見れてこれなかった部分をもっと直接見るといったかたちに変えることで、ビジネスを大きくいい方向に変えなくちゃいけないという課題を持っていると思っております。
LIXIL Building Technology(LBT)
一方Buildingのほうは、上海美特という事業を売却した関係と、それと事業そのものが選別受注させていただいています。これは、非常にリスクが高い時期になっているので、無理なビジネスは追いにいかない。
それからもう1つは、いろんなオンゴーイングだった事業が、今、難しい国では止まっている事業もあります。そういった事業に関しては工事進捗基準での売上が計上できないので下がっている部分もあります。
ただ、こうしたものもどうやら動き出すような気配を見せておりまして、10月以降急速に動き出していますので、10月以降は回復していけるかなと思っております。
ただ、我々としてLBT、今のような難しい時期、とくに景気が不安定、それから世界の経済情勢が不安定なときには選別受注して、リスクの少ない事業をして、管理をしておくというのが一番重要だと考えております。
LIXIL Kitchen Technology(LKT)
Kitchenのビジネスはご存知の方も多いと思いますけど、そもそも世界的にもあまり利益のでない、あまり儲からない事業ということになっておりますが、ようやくリシェル等の中高級品に注力してきた効果が現れて、日本もよくなり。
また、中国のほうも長年苦しんできたのがようやくビジネスとしていい方向に。これも中級品から上を中心にマーケティングを集中した結果、いい方向に向かっております。
こちらは、今回リシェルを増やすためのかなり集中的なマーケティングをしたにもかかわらずよくなってきております。今後も中高級品を中心に差別化できる商品を作っていくことで、Kitchenも儲かるビジネスにしていきたいと考えております。
D&R and H&S
一方、流通のほうですけれども、今回9月に台風が続いた関係で、ビバ(ホーム)に関していつもほどよくはありませんでしたが、競合他社に比べれば十分よい結果だったかと思っております。
H&Sに関しても、中心となる住宅事業が堅調に進みまして、まあまあよい結果であったのではないかなという考えております。
H&S事業のなかには、JIO、ジャパンホームシールドのように今後考えられる、家のインスペクションといった将来の需要に応えられる事業があって、楽しみだと考えております。
以上で、この6ヶ月の成績・内容をご説明いたしました。