2016年度第2四半期 決算説明会

守安功氏:株式会社ディー・エヌ・エー、2016年度第2四半期の業績のご報告をさせていただきたいと思います。

まず2ページ目が、全体の四半期ごとの業績のサマリーになります。

売上、それからIFRS、Non-GAAPの営業利益ともに順調、堅調に推移をしておりまして、想定線というところになっております。

とくに第2クオーター好調だったのがスポーツ事業になっておりまして、利益ベースでもかなり大きな貢献をしてきております。

連結業績・費用構成(IFRS)

続いて3ページ目がセグメント別になります。

売上面、先ほどお話した「スポーツ」に加えて「新規事業・その他」の貢献が大きくなっております。前年同期と比べますと、前年が12億円の売上だったところが今期に関しては30億円ということで、非常に力強く成長してきております。

続きまして、4ページ目、費用の内訳になります。

第2クオーターは、第1クオーターと比べてそれほど大きく変動してる項目はございません。一番変動しうる販促費・広告費のところも、だいたいのクオーターで30億円水準というところで、通常の状態というところにあるかなと思っております。

国内ゲーム事業

続いて5ページ目、国内ゲーム事業になります。第2クオーター、コイン消費それから営業損益が第1クオーターに比べて若干減少をしております。

第2クオーターに関しては、新作アプリの積み上げがないというところがあるのと、あとはブラウザに関しては想定の範囲内での減少というところになっております。

今期、注力事項としてあげている、既存アプリの大型タイトルをさらに強化するという、運用強化のところなんですけれども、こちらはバンダイナムコエンターテインメントさんと協業タイトルの『スーパーガンダムロワイヤル』などで効果が出始めております

こちら10月の、リリースからだいたい1年経過したタイミングなんですけれども、単月の売上でいきますと過去最高というところで、順調に運用強化というところは進展しております。

海外ゲーム事業

続きまして、6ページ目が海外のゲーム事業になります。

コイン消費、中国向けそれから欧米向け、若干減少しておりますが、損益面に関しましては着実に改善、赤字が縮小というところで、期初に掲げていた「昨年度対比で10億円以上ボトムライン改善する」というところに関しては、順調に進捗していると考えております。

戦略面ですが、中国に関しては、とくに日本のIPを活用していくようなところと、あとは現地に開発運営拠点があるというユニークなポジションが築けておりますので、まだ赤字ではあるんですけれども、下期に向けて黒字化させていきたいと考えております。ということで、成長戦略に関して継続していこうと思っております。

欧米向けに関しては、先月すでにリリースを出ささせていただいておりますが、欧米のスタジオですね。

これまで欧米向けに関しても、現地で開発、運営、それからマーケティング、すべて行っていくという方針で事業を行っていたんですけれども、そのスタジオを解散することを決めました。

今後に関しては、とくに任天堂を中心とした、外部のパートナーとの協業タイトルを日本から欧米向けに配信していくという戦略に転換しております。

EC事業

続きまして、7ページ目がeコマース事業になります。引き続き注力しているトラベルの分野が堅調に成長を続けております。

こちらも先月リリースさせていただきましたが、ショッピング事業のうち、DeNAショッピング、それからauショッピングモールについて、今年いっぱいでKDDIさんに事業譲渡することを決定しております。

これを受けて、ますますトラベルを中心に成長戦略を進めていきたいと、eコマースに関してはこのように考えております。

2016年度上記の総括

続きまして、事業戦略の進捗と方針というところで。一部下期にさしかかっているものもありますが、9ページ目が上期の総括ということでまとめさせていただいております。

ゲーム事業に関しては、任天堂さんとの協業……これからリリースしていくということで、非常に順調にきておりますので、より大きなアプリでの成功を見据えて、リソースの配分それから拠点の再編を行っておりまして、任天堂さんとの協業タイトルによってどこまで大きくできるか、成長させていけるかというところが重要なフェーズに入ってきております。

続きまして、キュレーションプラットフォームに関して、MAU含めて、媒体の成長が非常に伸びてきております。

「MERY」のほかに、2,000万MAUを超える媒体が2媒体出てきたというところと、売上面に関しても順調に、当社の想定を超えるペースで推移しているというところで、非常に力強い事業に育ってきております。

「その他」に関しましては、冒頭申し上げましたように、スポーツ事業が非常に順調になってきております。

下期に関しては、季節的な要因とかそのシーズンの要因がありまして、3Q・4Qは赤字になるんですけれども、通期で見ても黒字は確実という状況になってきておりますので、これまでスポーツ事業はかなり赤字出してきたんですけれども、今後は収益に貢献する事業という位置づけになってくるかと思っております。

「その他」のヘルスケアそれからオートモーティブというところも、今期・来期というよりは、それよりもうちょっと先を見据えた成長をさせていこうと考えている事業でありまして、順調に取り組みのほうは継続をしております。

ゲーム事業(任天堂との協業)

10ページ目がゲーム事業になります。

任天堂さんとの協業というところで、ちょうど1年半前ぐらいに任天堂さんとの資本業務提携ということを発表させていただきました。

その時から、ユーザーさん、それから投資家のみなさんに、おそらくこのタイトルをみんな期待されていたんだろうなというタイトルをようやく発表させていただくことができて、年内に『Super Mario Run』をリリースできるという状況になってまいりました。

それに加えて、もうすでに発表しております『ファイアーエンブレム』、それから『どうぶつの森』ということで、下期リリースのラッシュが来ますので、この3タイトルでどこまで伸ばせるかというところが、下期一番重要なところになってくると考えております。

任天堂さんとの協業については、これも従前よりお話させていただいているとおり、資本業務提携を結んで中長期でのパートナーシップということで進めておりますので、この3タイトルというよりは、次年度以降も含めて協業のほうを継続していこうということになっております。

まだ、来年度どうなるんだというタイトル等を発表はできないんですけれども、基本的には中長期の枠組みの提携ということで考えていただければと思います。

そしてこの『Super Mario Run』ですけれども、すでに動画なども発表させていただいておりますので、ご覧いただいている方も多いかと思うんですけれども、いわゆるスーパーマリオだなという、すでに多くの方がこれまで遊んでいただいた方が「懐かしいな」というか「これぞスーパーマリオだな」というタイトルになってきていると思います。

操作性に関しては、片手で遊ぶものなりますので、コントローラを操作してというところとは違いますので、操作性に関してはこれまでのものとは変わるんですけれども、スマホでもこれまでのスーパーマリオと同じような楽しさが体験できるタイトルになってきていると考えております。

そして配信時はiOSのみというところになるんですけれども、こちら事前予約的なことを始めておりまして、すでに2,000万人を突破しているというところになります。

これからリリースに向けて再度盛り上げていきますので、リリースタイミングにおいてはこれより多い方が事前予約をされているんだろうなと思います。

そして来月のリリースのタイミングでは、全世界150ヶ国程度での配信予定ということで、グローバルに一気にリリースしていこうと考えております。

そして、マネタイズに関してなんですけれども、こちらもすでにアナウンスしているとおり、ダウンロードそれから一部のプレーが無料ということで、それ以降すべてのゲームを遊ぶときに一定の金額をお支払いいただくような形式になります。

「じゃあいくらぐらいなんだ?」というところ、プライシング等々が非常に興味関心の高いところだと思うんですけれども、それをどうするかというところに関しては、アナウンスのタイミングまで今しばらくお待ちいただきたいなと思います。

ゲーム事業(2016年度下期以降の方針)

そして11ページ目がゲーム事業全体ですね。下期以降どういう成長戦略をとっていくのかというところをまとめております。

ブラウザからアプリへの転換が進んできておりまして、アプリがようやくコイン消費で半分を超えるような規模になってきておりますので、今後はこのアプリをグローバル全体でどこまで伸ばしていけるのかというところが非常に重要になってきていると思っております。

そのなかでも、やはり任天堂さんとの協業タイトルというのが、全世界で非常に大きなインパクトをもっていると思っていますので、下期の3タイトルを中心に、今後も任天堂さんとのタイトルにリソース面を積極的に寄せて、こちら大型化させていきたいなと考えております。

欧米市場に関しては、先ほど申し上げましたように、任天堂を中心としたIPパートナーとの協業ということで、日本から欧米向けに配信していくというようなことで、攻め方を変えるという決断をしております。

国内の既存タイトル・大型タイトルを運用強化する方針と、中国市場における攻め方というところは、これは変えずにやっていこうと思っています。

そして任天堂さんとの協業以外なんですけれども、現状のパイプラインといたしましては、日本国内向けそれから中国向けにそれぞれだいたい5本ずつ程度パイプライン用意しております。下期リリースに向けて準備をしておりますと。

こちらやはり一定のクオリティ・おもしろさがないとそもそも勝負にならない市場になってきておりますので、開発を続けていくなかで、あるいはβテストをするなかにおいて、一部タイトルが来期にずれ込んだり、あるいは開発が中止になるということもありますので、これが確実に出るということではないんですけれども、まあこのぐらいのパイプラインがあるということでお考えいただければと思います。

そしてブラウザなんですけれども、減少傾向が続いておりまして、今後も減少していくというようなことで、これを反転させる目処はないわけなんですけれども、現時点においてもまだかなりの規模をもってまして、利益面、キャッシュ面、非常に貢献している事業ございます。

だいたいその減少のペースは読めてくるようになったんですけれども、なるべくその想定のペースよりももうちょっと維持できないかというところで、こちら運用面に関しても引き続き強化して行っていきたいと考えております。

キュレーションプラットフォーム事業

12ページ目が、新規事業のキュレーションプラットフォーム事業になります。

こちらはご覧いただいたらわかりますように、利用者数それから売上と、非常に順調に成長・拡大してきております。

売上がだいがい第1クオーターから第2クオーターで約5億円ほど増収してるわけなんですけれども、今後もしばらくこのぐらいのペース、だいたいQonQで5億円ぐらいずつ増やしていけるんじゃないのかなと。

当然、季節的な要因等あってでこぼこするところもあるかと思うんですけれども、だいたいそのぐらいのペースで伸ばしていきたいなと考えております。

そして損益面に関しても、9月に単月黒字化を達成いたしまして、第3クオーターに関しては、四半期で黒字になってくるという見通しをもっております。

ということで、来年度、クオーターで10億円を超える利益貢献というお話をさせていただいておりましたが、そちらに向けて順調に進捗していると考えております。

13ページ目、キュレーションプラットフォーム、キュレーションメディアとして今10媒体あるわけなんですけれども。

それぞれどういう特性があるのか、とくにマネタイズ関してどういう特性をもってるのかということで、これも分け方が難しくて、完全に2つに分かれているというわけではないんですけれども。

大まかに考えて、この(スライド)左側にあるブランディング広告中心の媒体と、右側にあるパフォーマンス広告中心の媒体という、大きく2つにくくれるんじゃないかなと考えております。

ブランディング広告中心というのが、女性ファッション向けの「MARY」と、住まい・インテリア向けの「iemo」というものを代表的なものとして載せさせていただいております。

こちらユーザーさんの利用も、もう媒体指名で、アプリで閲覧する方がかなり増えてきております。アプリを開いて、毎日あるいは週に何回か、雑誌をめくるような感覚で記事を読んでいただいているということで、媒体メディアに対してファンがついてきていると考えております。

そのファンに向けて、広告主がブランディングニーズで広告出稿されるところがけっこう増えてきております。現状、記事タイアップ広告が中心なんですけれども、これを中心に新しい商品もふまえて、まだまだARPDAU向上の余地があるなと考えております。

そして右側がパフォーマンス広告というところです。こちらは旅行の「Find Travel」、ヘルスケアの「WELQ」が代表的なものになってくるんですけれども。

問題解決型メディアといいますか、例えばFind Travelですと、「浅草 観光」とかそういうワードをGoogleで検索しますと、だいたいトップに近いところでこのメディアが表示されて、クリックすると浅草観光に適したスポットを数10個ご紹介すると。

そのなかでいくつかからリンクを貼ってアフィリエイト収入をいただくと。あるいはネットワーク広告を貼るというようなことです。

こちらもマネタイズがかなりまだまだ成長の余地があると思っておりますで、ユーザー規模、マネタイズともに拡大させていけるんじゃないかなと考えております。

業績見通し(第3四半期)

最後、第3クオーターの業績予想になります。

スポーツ事業は季節要因があって第3クオーター赤字になりますので、スポーツ事業を除くNon-GAAPの営業利益、一番下のところですね。こちらに関しては、安定的に推移をする見通しを立てております。

そして第3四半期の業績の前提なんですけれども。任天堂さんとの協業タイトルに関しては、こちらこのように記載してあるんですけれども、『Miitomo』以外のタイトルについて、まだいつどのような体系で配信するかということもまだ発表しておりませんので、この第3クオーターの業績予想には盛り込んでいないということで、こちら第3クオーターに配信されて売上が立ってくると、これに純増というかたちになるかとお考えいただければと思います。

また第3クオーター、Non-GAAPのところでは影響はないんですけれども、IFRSベースのところには入り繰りといいますか、けっこう大きな一時益・一時損がございます。

ショッピングモール事業の譲渡益として約59億円を見込んでいるのと、あとは欧米のゲームスタジオの解散に関わる一時的費用を約28億円ということで、こちらがプラマイ発生するという予想になっております。

私からの説明は以上になります。