2020年9⽉期決算ハイライト

八木政幸氏:森トラスト総合リート投資法人の資産運用を担当しています、森トラスト・アセットマネジメント株式会社の代表取締役、総合リート運用本部長の八木でございます。

2020年11月18日に、森トラスト総合リート投資法人の第37期、2020年9月期の決算を発表しました。本投資法人のホームページには、IRライブラリーに決算短信に加えて決算説明資料を掲載しています。こちらでは、決算説明資料を使って概要をご説明させていただきます。

まず、4ページをご覧ください。2020年9月期の1口当たり分配金は、上段に記載のとおり、3,832円となりました。前期実績から47円の増加で、本年5月に発表した予想に対しては46円の上振れとなっています。

このページの下3分の2には、当期の主な指標を記載しています。まず左側、Assetについてです。当期は物件の取得・譲渡ともなかったので、物件数・資産規模は前期と変わっていません。3段目の稼働率は、サブリースベースで99.9パーセントと、極めて高い水準を維持しています。

その下、期末算定価格は、東京汐留ビルの鑑定上のネット・キャッシュ・フローの低下を主因に、213億円減の3,424億円、含み益は362億円となっています。これに伴って、右側、Equityの欄に記載のとおり、1口当たりNAVは14万8,741円となりました。

また、その上、Debtの欄ですが、有利子負債は1,550億円で前期と変わりありませんが、低金利下でのリファイナンスにより、期中平均金利は0.03パーセント低下し、0.48パーセントとなりました。

2020年9⽉期決算概要

次に5ページをご覧ください。こちらでは、2020年9月期の損益計算書をお示ししています。ページ右側に主な変動要因を記載していますが、前期実績比では、収益面で前期入居テナントの通期稼働および賃料増額改定等による増加、費用面で修繕費の減少や支払利息の減少等があり、結果として増収増益での着地となりました。

予想比では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、テナントの水道光熱利用が想定を下回ったことにより、表面上、収益が下振れたようになっていますが、同じ要因での費用の減少がこれを上回ったことや支払利息の下振れがあり、利益は予想を上回りました。

1⼝当たり分配⾦の変動要因(2020年9⽉期)

次に6ページをご覧ください。1口当たり分配金ベースで、前期比の変動要因をお示ししています。水色がプラス効果ですが、左から、前期入居テナントの通期稼働や賃料改定等で29円、修繕費の減少で46円、支払利息の減少で20円となっています。

2021年3⽉期業績予想

続いて、7ページにお進みください。2021年3月期の業績予想の修正をご説明します。右下にお示ししているとおり、テナント退去による賃料収入の下方修正や、この後ご説明する2021年9月期の収益減少を見込んだ修繕の前倒しなどにより、営業利益は下方修正となっていますが、支払利息の下方修正により、当期純利益は前回予想から変更はありません。

1⼝当たり分配⾦の変動要因(2021年3⽉期)

1口当たり分配金についても、8ページ上段に記載のとおり、3,822円と前回予想水準を維持しています。前期比では、マイナス要因として、テナント退去による減収や修繕費の増加、仲介手数料などの管理業務費の増加を見込む一方で、プラス要因として、一部資産の償却期間終了に伴う減価償却費の減少や支払利息の減少などを見込んでいます。

2021年9⽉期業績予想

では、9ページをご覧ください。ここでは、今回新たに発表する2021年9月期の業績予想をお示ししています。本投資法人の機関物件であります東京汐留ビルのオフィス部分で、2021年6月に現在のテナントの退去が予定されています。スポンサーとも連携し、後継テナントのリーシング活動を行っており、一部は決まっていますが、コロナ禍でオフィスの移転拡張の動きが鈍化しており、賃料収入の減少が見込まれます。

1口当たり分配金につきましては、これまで分配金の安定化の観点よりリザーブしていた内部留保の活用も含めて、3,000円を予想しています。

内部成⻑(環境認識及び今後の⽅針)

続いて、11ページから今回の決算や業績予想の背景となる運用状況と方針についてご説明します。まず、内部成長についてお話しします。当期におけるテナント対応動向としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を理由とした減額・猶予はそれぞれ1件・3件と限定的でしたが、コスト削減を理由とした退去等、間接的な影響を含む退去も一定程度発生しました。

現在の環境認識としては、中段に記載のとおり、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、オフィス拡張移転の動きが鈍化していることに加え、テレワーク導入に伴う解約や減少の動きにより、空室率は上昇しつつあり、賃料については引き続き高い水準ではありますが、増額ペースは鈍化傾向にあります。

なお、感染拡大の収束の時期は、現時点でははっきりしていませんので、企業業績への波及とそれに伴う賃貸需要の減少に留意が必要と考えています。

今後の方針としては、下段に記載のとおり、賃料の増額改定余地があるテナントに対しては、企業業績にも気を配りながら賃料改定交渉を進めてまいります。

また、空室率が上昇傾向にあることを念頭に置いて、稼働率確保を重視した運営を行います。特に東京汐留ビルにおいては、マーケット状況やテナントニーズに応じ、柔軟な対応も考えてまいります。

賃料減額等の要請を受けた場合は、前期と同様、テナントの業績、賃料ギャップ、リーシングの難易度、ポートフォリオ収益への影響などを踏まえて、個別に検討する方針です。

内部成⻑(賃料改定の状況)

次に12ページをご覧ください。こちらでは、紀尾井町、大崎、御堂筋、広尾、天神、新横浜のオフィス6物件の賃料改定の状況をお示ししています。当期改定となったテナントのうち、面積ベースで57パーセントで増額に合意し、平均増額率は11パーセントとなりました。

また、2021年3月期に改定期を迎えるテナントのうち、すでに面積ベースで62パーセントが交渉が終わっており、7パーセントが増額改定となっています。交渉継続中およびこれから交渉を開始するテナントについては、すべてにおいて現在の賃料以上での合意を目指します。

内部成⻑(個別物件の運⽤状況)

次に、13ページにお進みください。ここでは個別物件の運用のうち、主なものをお示ししています。すでに開示済みですが、当期は、東京汐留ビルとホテルオークラ神戸において、現在の契約終了後の新しい契約を締結しています。

なお、東京汐留ビルにおいては、新型コロナウイルス感染拡大の環境下、サブリース契約の賃料に連動する仕組みのマスターリース契約を導入することで将来のアップサイドの余地を残しつつ、最低保証賃料を設けることで一定の収益を確保するかたちとなっています。ホテルオークラ神戸については、現在の賃料より約1パーセントアップの契約となっています。

外部成⻑(環境認識及び今後の⽅針)

次に、14ページにお進みください。外部成長についてご説明します。新型コロナウイルス感染拡大の影響で不動産売買市場は停滞しており、本投資法人の基準に合う優良物件の取得機会は限られています。

取引利回りは引き続き低い水準が継続していますが、中段一番右のグラフのとおり、投資家のマーケットサイクルの認識には変化の兆しが見られます。なお、テレワークの推進等が不動産価値に及ぼす影響に留意を要するものの、都心部のオフィスビルの優位性は維持されると見ています。

今後の方針としては、不動産価格の調整局面を視野に入れて、投資環境の変化を注視しつつ、中長期的価値に力点を置いた厳選投資のスタンスを継続していきます。また、現在の状況に鑑み、スポンサーサポートの活用も視野に入れて、ポートフォリオの安定性と質の向上に向けた施策を検討してまいります。

財務の状況(当期の運営実績及び返済期⽇の分散状況について)

最後に15ページをご覧ください。左側上段に記載のとおり、当期の借入は全額借り換えで総額170億円、利率は借り換え前の0.72パーセントに対して0.34パーセントと、コストの削減が実現しています。今後も高い信用力を活かした低コストでの調達と、金融環境の変化による影響の軽減の両方に目配りした、バランスのよい調達に努めてまいります。

ご説明は以上です。今後とも森トラスト総合リート投資法人をお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。