10連休中も取引できる「くりっく365」「くりっく株365」の概要と特長

甕川誇章氏:東京金融取引所 証拠金営業部の甕川と申します。本日は、10連休も日経平均が取引できる当社の市場について、ご説明させていただきます。本日武部さんが説明されました資料の、中ほどから(当社の)資料が入っておりますので、ぜひご覧いただければと思います。

東京金融取引所とは

まず弊社、東京金融取引所についてご説明します。

弊社東京金融取引所は、金融商品取引法に基づき設立されました、公的な取引所になります。弊社は「金融デリバティブの総合取引所」といたしまして、金利・為替・株式の3分野の商品を上場しております。

本日は、株式分野「くりっく株365」と為替分野の「くりっく365」について、ご説明をさせていただきます。

「くりっく株365」 口座数 証拠金残高

「くりっく株365」の口座数、証拠金残高になります。

「くりっく株365」は2010年11月に上場いたしまして、2019年3月で8年が経過しております。赤の口座数・青の証拠金残高の両方とも、右肩上がりで成長している市場となっておりまして、2月末で口座数が22万口座になります。証拠金残高は、投資家のみなさまからお預けいただいている資金ですが、673億円となりまして、「くりっく株365」を投資をされている方が非常に増えてきている注目の金融商品となっております。

「くりっく株365」とは

この「くりっく株365」は、弊社東京金融取引所に上場している、取引所株価指数証拠金取引の愛称になります。

実際にどういった取引ができるのかということですが、こちらは皆様もご存じの日経225をほぼ24時間、買いからも売りからも取引ができます。

また、アメリカのNYダウ、ドイツのDAX®︎、イギリスのFTSE100という海外の株価指数を、円で取引できるという特徴がございます。

インデックス投資のメリット

最近、こういった日経平均の投資に非常に人気が出てきております。

理由といたしましては、日経平均が投資対象のため銘柄を選ぶ必要がなく、日経平均は市場全体に投資ができるので、わかりやすいという特徴がございます。

ですので、特定企業の業績を調べなくても、大きな経済の流れや景気の変動を見て投資ができることからインデックス投資の人気が出てきています。

日経225mini・ETFとの比較

日経平均に投資をしようと思ったときに、国内の代表的な金融商品といたしましては、日経225先物やETFなどがありますので、そちらと「くりっく株365」の日経225を比較したいと思います。

まず配当で言いますと、ETFは現物株と同じように配当がございます。先物は配当が出なくて、「くりっく株365」は現物株と同じように配当が出ます。ですので、こういった配当狙いの投資も増えています。

レバレッジの点を見ますと、先物は20~30倍程度レバレッジをかけることができますが、ETFは3倍以上のレバレッジ取引ができません。「くりっく株365」は先物と同じように20倍から30倍程度のレバレッジをかけて取引をすることができます。

あと夜間取引といたしまして、現物株式ですと15時でマーケットはクローズしてしまいますが、それ以降も海外ではマーケットが動いています。日経平均先物とか「くりっく株365」でしたらほぼ24時間取引ができますので、海外のマーケットの値動きに対応できるといったメリットがございます。

最後になりますが、「くりっく株365」の特徴といたしまして、祝日も取引ができるのが、国内の日経225先物やETFにはない特徴になります。こちら後ほど説明させていただきます。

日経225 商品取引仕様

「くりっく株365」の日経225証拠金取引の商品取引仕様ですが、弊社の「くりっく株365」は取引単位は1枚になります。「1枚」というのは、日経平均×100円になりますので、例えば日経平均が2万1,000円だとしますと、2万1,000円×100円。210万円の取引になります。

普通でしたら210万円の取引が必要なのですが、レバレッジをかけることができまして、現在の水準では最低7万5,000円程度入れていただければ1枚で取引することができますので、非常に資金効率の良い取引をすることができます。

取引時間は、朝の8時半から翌朝の6時。米国がサマータイムのときは翌朝の5時までとなります。

休業日が、土曜日と日曜日。配当と金利は後ほど説明させていただきます。取引成立方法は「完全マーケットメイク方式」と言いまして、複数の金融機関から価格の提示を受けまして、その中から投資家のみなさまにとって、もっとも良い価格を提示する仕組みとなっています。

この金融機関は、大和証券と日産証券の2社がプライスを出しております。

「くりっく株365」の取引イメージ(売りからも可能)

「くりっく株365」の取引のイメージです。

例えば買いから取引をした場合、日経225が2万円のときに1枚買ったとします。「くりっく株365」は掛ける100倍の取引になりますので、1枚が200万円の取引になります。100円上昇しますと、掛ける100円で1万円の利益。100円下落すると、掛ける100円で1万円の損失になります。つまり、「くりっく株365」で1枚買った場合、100円の上昇・下落で1万円損益が変わると捉えていただければと思います。

「くりっく株365」は、売りからのお取引もすることができます。例えば、200万円のとき1枚売りました。そういうときに100円下落すると1万円の利益、100円上昇すると1万円の損失になりますので、「くりっく株365」は株が上がっていく局面だけではなくて、株が下がっていくような局面でも利益を狙うことができる。また、売りから取引できることによって、保有資産のリスクヘッジでヘッジの売りもできます。

「くりっく株365」のメリット

「くりっく株365」のメリットですが、簡単に4つほどご説明させていただきます。

1点目、取引時間はほぼ24時間・祝日も。2点目がレバレッジ。3点目が配当です。4点目が海外指数になります。

1-1 取引時間は ほぼ24時間

「取引時間はほぼ24時間」ということですが、日経225とアメリカのNYダウは朝の8時半から翌朝の6時まで。今みたいに米国がサマータイムのときは、翌朝5時までお取引をすることができます。つまり、途中で途切れることなくニューヨークのクローズ時間まで、日経225やNYダウを取引できるメリットがございます。

1-2 日経225証拠金取引の値動き(2016年11月9日〜10日)

ほぼ24時間取引できるとどういうメリットがあるかということをご説明します。こちらは日経225証拠金取引の値動きです。

これはアメリカの大統領選のときの2016年11月9日から10日の値動きになります。投開票があったときに、朝の9時から「トランプ氏優勢」と伝わって、一気に相場が下がりました。そのあと15時から株式市場がクローズで、翌朝現物市場は9時から取引できますが、このときの価格が1万6,248円で15時で終わって、そのあとの9時で1万7,236円となりますので、現物市場が取引できない方はギャップアップしたところでしか、もうお取引することができなかったんです。

でも「くりっく株365」ですと、赤い線。こういう相場が戻すところを見ながら取引できたということになりますので、ほぼ24時間できるのは非常にメリットになると思います。

2019年 ゴールデンウィークの取引カレンダー(予定)

「くりっく株365」は祝日も取引ができるんですが、こちらはゴールデンウィークの取引カレンダーになります。

4月29日から5月3日の丸々1週間と5月6日がお休みになります。この間は現物市場で取引することができないのですが、主な経済指標といたしまして、5月1日の27時にアメリカのFOMC政策金利、5月3日には4月雇用統計など、相場に大きく変動するような経済指標が出てくる中、現物市場は全部お休みとなっています。

この中「くりっく株365」でしたら、日経平均の取引も全部することができます。

なんで取引できるのかと言いますと、例えば日経平均先物がシンガポールのSGX、シカゴのCMEが上場していますので、日本の市場がクローズしていましても、リアルタイムで値動きしているのです。

「くりっく株365」の場合は、先ほどの大和証券さん、日産証券さんといったマーケットメーカーが先物市場でプライスをヘッジして、現物市場の価格に焼き直して「くりっく株365」でプライスを出しておりますので、ほぼ24時間・祝日もプライスを出すことができております。

ですので、投資家のみなさまにとっては、リスクヘッジの手段として「くりっく株365」の口座を開かれておくのも、1つの手になるのではないでしょうかと思います。

2018年のゴールデンウィーク期間等の値動き

続きまして、2018年のゴールデンウィークの値動きになります。

4月30日、5月3日・4日が休みでしたが、高安の値動きが4月30日に213円、5月3日・4日にそれぞれ334円・374円と、ほかの平日に比べても大きな値動きとなっております。ですから、こういった値動きを狙ったデイトレードみたいな取引も行うことができます。

2-1 レバレッジ取引・株価指数証拠金基準額

2点目のレバレッジになります。

こちらは「くりっく株365」の3月4日時点の1枚の取引金額なのですが、日経225証拠金取引の場合217万2,600円になります。それに対しまして、1枚に最低で必要なお金が約7万5,000円になります。つまり、この217万円割る7万5,000円で、レバレッジは最大29倍まで掛けることができます。

ただ、レバレッジはご自身で調整することができまして、217万円の取引に対して217万円のお金を入れていればレバレッジは1倍になりますし、100万円を入れていればレバレッジは約2倍、50万円を入れていればレバレッジは約4倍になります。この部分につきましては、ご自身のリスク許容度に合わせたかたちでご調整いただければと思います。

3-1.「配当相当額」と「金利相当額」の関係

金利と配当についてご説明させていただきます。

「くりっく株365」では、配当と金利の受け渡しがあります。買いから入っている人につきましては、配当を受け取って金利を支払います。逆に売っている人からすると、配当を支払って金利を受け取ります。

横で見ていきますと配当相当額は、買いポジションのところで配当を受け取って、売りポジションの人は支払います。この配当相当額は、一本値で同じ金額です。ですから、売っている人から買っている人に、同額が支払われます。逆に、金利相当額については、買っている人から売っている人に同額が支払われます。

3-2 日経225証拠金取引の配当相当額実績

実際に、日経225の配当金と金利が1年間でどれぐらい出たのかになりますが、こちらは日経225証拠金取引の配当相当額の実績です。2018年1月から12月までの月間の配当と金利相当額です。

金利相当額は、日経225証拠金取引の場合、日銀の無担保コール翌日物速報(平均)を使っています。今はマイナス金利になっておりますので、金利0円を用いております。配当は現物株と同じように日経225の構成銘柄に配当が出る都度、「くりっく株365」も配当が出ます。

そのため、3月と9月に配当が多くなっているのですが、日本の企業の場合ほとんどが3月決算のため、1万5,500円となっております。9月は中間配当で、こちらも多くなっております。年間では4万円ほど出ておりますので、この217万円の取引金額に対しまして、2パーセント弱の利回りとなっております。

ここで普通でしたら、株式200万円の取引に対して4万円がもらえるのですが、「くりっく株365」でしたらレバレッジをかけて取引することができます。例えば、50万円を入れて200万円分の取引をしますと、それでもらえる配当金は4万円になります。そういった配当にレバレッジをかけて配当を狙いにいくのも、1つの手だと思います。

ただ配当を受けたあと、現物株と同じように配当落もありますので、買っているから得、売っているから損ではないので、その点はご注意ください。

3-3.配当相当額の権利取りのタイミング

配当相当額の権利取りのタイミングです。

こちらは、現物株と非常に似ております。例えば2018年9月を例に説明しますと、9月28日が権利確定日になりますので、権利付最終日は3営業日前の9月25日、9月26日が権利落ち日になります。つまり、9月25日に買ポジションを持っていれば配当を受け取ることができます。

ただし、1点現物株と違う点があります。9月25日の取引は現物株式でしたら15時で終わりなのですが、「くりっく株365」の場合はほぼ24時間取引できる関係で、翌朝9月26日の5時が9月25日の取引終了時間になりますので、ここで買いポジションを持っていた方が配当相当額を受け取ることができます。

3-4 海外株価指数証拠金取引の金利相当額

海外株価指数の金利相当額になります。海外株価指数は外貨金利が適用されていますので、日経225の金利とは異なります。NYダウに関しては、配当より金利の方が大きくなっているので、買いポジションを保有していた場合、支払いの方が大きくなります。

4-1 海外株価指数を円で取引(例:NYダウ)

通常NYダウを取引しようと思った場合、取引金額はNYダウ×為替レートになります。つまり変動要因がNYダウの上下、プラス為替レートの上下と2つを見なければいけません。ですから、「今後NYダウが上がるかな? 下がるかな?」という予想と同時に「為替レートがどうなるのかな?」ということを、併せて考える必要がございます。

「くりっく株365」のNYダウ証拠金取引の場合は非常に単純でして、取引金額はNYダウ×100円。マーケットメーカーがなるべくそのままNYダウのプライスを持ってきます。ですから、マーケットメーカーが為替リスクを持っておりますので、変動要因は、NYダウ×100円となり、NYダウの上下で為替レートの上下は見なくて良いというメリットがございます。

純粋に「NYダウが上がるかな? 下がるかな?」。そういったところだけを見て取引できるのが、非常にメリットだと思います。また取引の際、外貨に変える必要がないので、為替手数料がかからないメリットもございます。

海外為替証拠金取引(FX)と「くりっく365」

「くりっく株365」の説明は以上になりますが、2点目で為替の「くりっく365」を少し説明させていただきます。

「くりっく365」は取引所FXになりますが、2005年に上場いたしまして、口座数と証拠金残高は右肩上がりに伸びております。2019年2月末現在で91万口座・4,638億円と、非常に多くの方にお取引いただいております。

「くりっく365」は、弊社が上場しております「取引所為替証拠金取引(取引所FX)」の愛称になります。先ほどご説明した「くりっく株365」は投資対象として日経平均等の株価指数が取引できる商品性でしたが、それと同じように、「くりっく365」はドルやユーロなどの外国通貨を売買できる商品になります。

くりっく365の商品概要

「くりっく365」の商品概要ですが、簡単にご説明させていただきますと、取引単位は1枚となっており、通貨によって1万通貨単位・10万通貨単位となっています。例えば米ドルが1ドル110円だったとすると、1枚の取引金額は110万円(110円×1万通貨)のお取引になります。

レバレッジ倍率は最大25倍までですので、米ドル/円の場合、1枚当たり4万5,000円程度の証拠金で110万円程度のお取引ができます。取引期限はございません。取引時間はほぼ24時間で、土曜日・日曜日・1月1日以外は取引できますので、今度の10連休もお取引できます。

くりっく365では、高金利通貨が人気

「くりっく365」では、高金利通貨が人気です。

こちらは2019年2月の各通貨ペアの月間取引数量になりますが、一番取引されているのは、やはり米ドル/円です。そのあとはトルコリラ/円や南アフリカアランド/円、メキシコペソ/円が上位にきております。なぜこのような通貨が人気かと言いますと、やはり政策金利が高いという点が挙げられます。メキシコですと8.25パーセントの政策金利となっており、非常に利回りが高いことから人気が出てきております。

買いポジションを保有した時のスワップポイント実績(2019年2月)

実際に次のページで、メキシコペソを例にしてご説明させていただきます。

57万8,000円程度の取引金額に対しまして、1年間のスワップポイント実績が4万6,000円程度と、非常に高い利回りになっております。こちらもレバレッジを効かせた取引ができますので、そういったスワップポイントを狙う投資家は多い状況です。

取引の流れ

「くりっく365」と「くりっく株365」の取引ですが、弊社は取引所になりますので、口座を作ることができません。「くりっく365」「くりっく株365」の取扱会社さんに口座を作っていただければ「くりっく365」「くりっく株365」の取引をすることができます。

先ほど岡三オンライン証券の武部さんがお話しされていましたが、岡三オンライン証券さんは「くりっく365」「くりっく株365」の両商品を取り扱っています。

くりっく365、くりっく株365の税制

「くりっく365」「くりっく株365」の税制になります。

給与所得等に関係のない分離課税になりまして、利益に対して20.315パーセント税金がかかります。損益通算については、現物株や投資信託とは損益通算できなくて、「くりっく365」、日経平均先物、商品先物、店頭FX、店頭CFDといったデリバティブ商品と損益通算できます。あとは、損失の3年間繰越控除ができます。

スマートフォンアプリ「取引所365」

最後になりますが、スマートフォンアプリで「取引所365」を提供しています。無料ですので、ダウンロードしていただければ、15時以降や祝日も日経平均がどういう価格で動いているかを見ることができますので、ぜひダウンロードしていただければと思います。

以上になります。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

取引のリスクについて