運用ハイライト 1/2

藤原寿光氏:みなさまこんにちは、ラサールロジポート投資法人の藤原です。本日はご多忙の中、ご出席いただきましてどうもありがとうございます。それでは早速ではありますけれども、決算説明を始めたいと思います。まずこの半年間の運用成果を、外部成長・内部成長・財務戦略の3つにわけて振り返ってみたいと思います。

4ページをご覧ください。外部成長については、第3期の期首に取得したロジポート川越に続く第2弾として、前回の決算説明において「新たに4物件、250億円超の優先交渉権を確保」とご報告しました。

この4物件の中には、優先交渉権獲得時に稼働率が40パーセントだった物件も含まれております。空室を抱えている物件を割安な価格水準で、ブリッジファンドでいったん取得し、安定稼働後に本リートが取得するという、そういう戦略でございます。

こういった工夫をすることによって、物件価格が高騰を続ける中でも、我々の利回り目線を維持した物件の取得をしていく方針でございます。これらの優先交渉物件の状況をアップデートしますと、ブリッジファンドであるリースアップも順調に進んでおりまして、4物件とも100パーセントの稼働となっております。本投資法人での取得に向けた地ならしは、ほぼ整いつつあります。

次に、内部成長ですけれども、第3期の期中平均稼働率が98.5パーセントを達成しました。予想対比0.7パーセントの上振れで、ほぼフル稼働の状態です。賃料単価も上場以来の毎期、緩やかながらも着実に増加させています。

続きまして財務面ですけれども、ロジポート川越の取得によって、LTVを38.6パーセントまで引き上げました。

しかし、まだ余力は十分あります。我々がLTVの巡航目標としている45パーセントまでは、200億円の取得余力があります。また(2017年)4月には10年の投資法人債35億円を発行し、前期に引き続き、調達手法の多様化と、長期化・固定化・分散化を進めました。

運用ハイライト 2/2

5ページをご覧ください。こういった活動の成果として、一時効果調整後の1口当たり分配金、DPUですけれども、第3期には2,394円となりました。前期の2,362円から半年で1.4パーセントの増加。前々期の2,202円からは、この1年間で8.7パーセントの増加という結果です。上場以来物件の追加取得・稼働率の向上や借入金利のコントロールを通じて、収益力の巡航水準を毎期成長させてきております。

DPUの実績値につきましては、5ページの真ん中のグラフのとおり、第3期は2,379円となりました。第2期の2,650円からは減額となっておりますけれども、これはIPO物件の固都税費用化に伴う一時的な効果によるものです。第4期のDPUにつきましては、2,382円と予想しておりますけれども、この点につきましては次のスライドでご説明申し上げます。

1口当たり分配金の増減要因分析

それでは、7ページをご覧ください。第3期の1口当たり分配金の実績は、2,379円でございます。業績予想の2,345円と比べてプラス34円、1.4パーセントの上振れという結果になりました。テナントリーシングが予想以上に順調に進んだことが、その要因です。

第4期につきましては現行のポートフォリオベースで、DPUは2,382円と予想しています。稼働率をある程度保守的に見積もる一方、一過性のローン関連費用が剥落することで、プラス3円とほぼ横ばいとなる見通しです。

第5期につきましては、DPUは2,359円。第4期比マイナス23円と、減少を予想しております。稼働率の保守的な想定に加えて、ロジポート川越の固都税費用化、また既存物件の固定資産税評価替。その影響も、織り込んでいる数字でございます。

第3期(2017年8月期)決算の概要(対期首予想比)

決算数値ですけれども、8ページをご覧ください。今回は物件レベルの収支と投資法人の費用にわけて、やや細かく表示しております。ここでは差異要因に着目して、もう少々補足したいと思います。

賃料共益費収入の上振れは、第3期の稼働率は97.8パーセントの期首予想に対して、実績値が98.5パーセントと0.7パーセントくらい上回ったことによります。他方、リーシングが順調に進んだことで、リーシング費用が想定よりも増加する結果となっております。

次に、水道光熱費ですけれども、テナントの電気使用量の増加で、水道光熱費収入が増収になっておりますけれども、その分電力会社への支払いも増えておりますので、ネットではほぼとんとんというところでございます。

修繕費と、投資法人の販管費。これにつきましては、突発的な事象に備えて予備費として、予想に織り込んでおりました。しかし結局未使用のまま終わっていますので、その分がプラス要因となっております。

第4期(2018年2月期)および第5期(2018年8月期)の業績予想

では、9ページをご覧ください。第4期および第5期の予想ですけれども、全般に予想の数字は固めの作り込みとなっております。その中でも稼働率の想定について補足いたしますと、第4期は96.9パーセントという想定でございまして、第3期実績の98.5パーセントに対して一定のストレスをかけた水準としております。

ただこれは、テナント退去で空室が確定しているというわけではございません。現時点で賃貸借契約満了時の再契約が未確定のものにつきましては、保守的に一定程度のダウンタイムを見積もっているとご理解ください。

運用方針

続きまして12ページですけれども、ここからは今後の運用方針でございます。これまでの取り組みを、引き続き堅持していく方針でございます。こちらも外部成長・内部成長・財務戦略にわけております。

まず外部成長につきましては、不動産価格の高騰が続いている状況ですので、高値を追わずに適正価格を追求するという厳選投資の姿勢。これを、引き続き堅持していきます。

ラサールは不動産売買マーケットから相場価格で物件を買ってくるという、マーケットプレイヤーという印象もあるようですけれども、そうではございません。そういった相場環境におきましても、取得戦略を工夫することで、NOI利回り4パーセント台半ばという、我々の目線を維持した適正価格での取得が可能です。

また今後、新ラサールファンドがパイプラインとして稼働を始めると、ラサールグループのデベロッパー機能をフル活用することも可能となります。中長期的な成長の原動力として、そういったデベロッパー機能の活用というのを、柱に据えていきたいと考えております。

次に内部成長ですけれども、高稼働率の維持を優先していく方針です。今後は首都圏でも物流施設の新規供給がまた一段と増加しますので、スポット賃料には下方圧力がかかってくる局面があるかもしれません。

しかし持続可能な相場賃料、すなわち、我々の中長期的な実力値として考えている水準との間には、まだギャップがありますし、本投資法人のポートフォリオ平均値の単価は、さらにそれよりも低い水準にあります。

その意味で、我々のポートフォリオには賃料のアップサイドがまだありますし、仮に賃料下落局面になったとしても、テナント引き抜きへの抵抗力は強く、ディフェンシブな内容になっているかというように考えております。

そして、財務戦略ですけれども、長期化・固定化・分散化を引き続き進めて、金利上昇リスクや金融環境変化への抵抗力を高めつつ、LTV余力を物件取得に活用していく方針です。

LTVの巡航水準としては、40パーセントから45パーセント。従来の方針のとおりですけれども、それを想定していて、最大で約200億円の取得余力があります。

外部成長による持続的なDPU成長を通じてバリュエーションを改善し、成長の好循環へ

次に外部成長の点を、もうちょっと細かくご説明したいと思いますので、13ページをご覧ください。現在は9物件・1,734億円のポートフォリオですけれども、これを2020年に3,000億円にするという中期目標。これをどのように達成していくかを、ここでまとめております。3,000億円に向けて、優先交渉権物件・既存ラサールファンド・新ラサールファンドと、パイプラインが積み上がっています。

まず足元から2018年にかけての第1段階を、LTV余力を活用した外部成長段階というように位置付けて、すでに確保している4物件・250億円超の優先交渉物件を、デット資金で取得したいというように考えております。冒頭にご案内のとおり、この4物件はすでにリースアップも完了して100パーセント稼働になっていますので、取得に向けた準備は順調に進捗しております。

ここでDPUへの影響をシミュレーションしてみますと、仮にLTVが45パーセントに達する200億円の追加取得を想定しますと、巡航DPUは2,620円という試算結果になります。現在の巡航DPUである2,394円からは、9.4パーセントの成長に相当します。この第1段階を、2018年の早いうちに完了させたいと考えております。

それに続く第2段階は、POを伴う外部成長段階として位置づけています。言ってみれば2段式ロケットのように、1段目はLTVのブースターを使って、DPU成長の実績を積み上げつつバリュエーションに持ち上げる。第2段目はプレミアム増資で、外部成長を加速させるという、そういったイメージでおります。

第2段階における物件パイプラインですけれども、既存ラサールファンドと新ラサールファンドからの物件取得を目標としております。既存ラサールファンドにつきましては、今現在で8物件・約1,000億円超の開発を進めています。すでに1物件は竣工済み。残りの物件も、来年(2018年)春から秋にかけて、順次竣工の予定です。

既存ラサールファンドに対して、本投資法人は優先交渉権がございませんので、売主側のスポンサーとしては、外部売却も選択肢として検討することになるかと思います。ただ、我々としては物件の竣工を見据えて、売主、すなわちスポンサー側と、取得に向けた協議を早期に開始したいと思っております。

新ラサールファンドにつきましては、毎年400億円程度の開発を続けていく方針です。すでにシード物件として、600億円規模の開発案件を確保しています。新ラサールファンドは、本投資法人に物件を供給するというフィーダーファンドとなります。

フィーダーファンドというのは、本投資法人にとって紐付きの開発ファンドであり、本投資法人は包括的に優先交渉権が付与され、安定稼働後に鑑定評価額で取得するというメカニズムになっております。ラサールグループとして、本投資法人の外部成長を力強く投資するために、新ラサールファンドを本投資法人のための成長エンジンとして位置づけているとご理解ください。

内部成長 物件運営実績

続きまして、内部成長に移りたいと思います。14ページをご覧ください。

稼働率は、直近では98パーセントで推移していまして、実質的にほぼフル稼働の状態でございます。14ページの右半分に、第3期のリーシング実績をまとめています。第3期に契約が満了した12万7,400平米のうち8万9,100平米が、再契約ないし自動更新となりました。

このうち、6万3,300平米がロジポート東扇島の3物件の普通借家契約で、その自動更新率は95パーセントです。東扇島の普通借家の自動更新率ですけれども、第1期が92パーセント、第2期が98パーセントでしたので、その安定性のトラックレコードが積み上がってきております。

また、東扇島の退去区画ですけれども、平均22日のダウンタイムで埋め戻しています。館内増床のニーズを取られることで、空室損失を最小限に抑制した運営を続けております。

次に、賃料単価の動向を見ますと、再契約・自動更新分はプラス0.2パーセントの微増になりました。東扇島の普通借家が同一条件・同一賃料での更新となるため、全体としてはプラス0.2パーセントという薄まった数字になってしまうんですけれども、他の物件であるロジポート北柏・流山の3契約では、プラス3パーセントの増額は、大きく確保しております。

次に、テナント入替分については、マイナス0.1パーセントの減額となっております。これにつきましては、短期使用などで高めの賃料をいただいていた面積、約5,500平米ですね。これがマーケット水準で入れ替わったもので、例外的なものだと考えております。

既存の空き区画につきましては、ロジポート橋本の残りの区画をすべて契約しまして、100パーセント稼働率アップが完了しております。賃料単価につきましても、業績予想よりもプラス6.2パーセント上振れしておりまして、好調を持続しております。

賃貸市況を踏まえたリーシング

15ページが、今後のリーシング戦略です。グラフに水色で示しています、東扇島の3物件。こちらにつきましてはこれまでと同様に、普通借家契約の自動更新を通じて安定的に運営しつつ、テナントが退去した区画については市場賃料での入れ替えを狙うという、そういった方針で今後も臨んでいきたいと思っております。

次に、緑色で示した北柏・流山ですけども、第4期にポートフォリオ全体の賃料ベースで7.2パーセントに相当する契約、第5期に2パーセントに相当する契約が満了を迎えます。今後、スポット賃料に下方圧力がかかってくる局面も想定していますけども、持続可能な相場賃料に引き上げるアップサイドの余地は、まだ残っております。

再契約のリーシング戦略においては、エリアのスペース需給のバランス、とくに近隣の新規開発物件のリースアップ状況を見据えながら、稼働率の維持を優先させつつも賃料の増額を狙っていくという、きめ細かい対応で臨む方針でございます。

財務戦略 第3期の取組実績

続きまして、16ページをご覧ください。財務戦略です。引き続き、長期化・固定化・分散化を進めていきます。第3期には変動金利借入を期限前弁済し、10年債を35億円発行しました。これによって、ロジポート川越を取得した今年(2017年)3月初めとの比較で、平均残存年数を5.8年でほぼ維持する一方、固定金利比率を92.7パーセントまで高めております。

加重平均調達金利につきましては、0.61パーセントに微増しています。この点につきましては、短期・中期ゾーンで割安な資金を調達していれば調達金利の削減はできましたけれども、足下の金融環境を踏まえて、調達金利削減よりも長期化を優先させることにしております。

これによって、第10期までは借換えもほとんどありませんので、当面は金融環境変動の影響を受けにくい、ディフェンシブな財務体質になったかと考えております。

首都圏の物流不動産マーケット

続きまして、物流不動産マーケットの動向について、簡単に触れたいと思います。19ページをご覧ください、

物流不動産マーケットの動向については、大量供給の中、首都圏は思っていたよりも堅調。一方で、大阪圏は思っていたとおり苦戦したというのが、およそマーケットコンセンサスではないかなと思っております。

首都圏につきましては、2017年は新規供給が前年から減少する一方、旺盛なスペース需要に支えられて、空室の消化が順調に進展している状況です。空室率は全体(青色の折れ線グラフ)で3.4パーセント、竣工後1年以上の物件(緑色の折れ線グラフ)につきましては1.5パーセントへ低下しています。

しかしながら、新規供給は2018年、そしてグラフにはありませんけれども、2019年にさらに増加する見込みですので、空室率はおそらく再び増加に転じるものと思われます。

CBRE(事業用不動産専門ポータルサイト)では、2018年の空室率を5.8パーセントと予測しています。ただ、空室率5パーセントから10パーセントというのが、我々の中では需給均衡ゾーンです。全体としては、賃料が堅調に推移するのではないかと考えております。

大阪圏の物流不動産マーケット

大阪エリアにつきましては、次の20ページをご覧ください。(全体の)空室率は、この(2017年)第2四半期には11.6パーセントにまで上昇しています。CBREの予測によると、空室率は今後15パーセントまで上昇するという予想です。

新築物件の中には、テナントの確保に苦戦し、リーシングが長期化している物件も出始めています。竣工後1年以上の物件の空室率は足下で1.1パーセントと、きわめて低い数字になりますけども、今後急上昇に転じるのは確実かと思います。

一方で、こういった状況の中でも、新たな開発計画が発表されていますので、需給バランスの回復にはやや時間がかかるのではないかなと考えております。

首都圏・大阪圏サブマーケット毎の空室率と供給見込

サブマーケットごとの動きですけれども、こちらのページをご覧ください。大阪圏のみならず首都圏でも、大型の新規供給が続くエリアでは、今後局所的に需給バランスが悪化してくることもありそうです。

実績の豊富な開発プレイヤーは、じっくりと腰を据えてリーシングしていくと思いますけれども、リーシング力に劣る新規参入プレイヤーが、賃料のダンピングなどでテナント引き抜きに動く例というのは過去にもございました。そういったエリアでは、スポット賃料に下方圧力がかかってくるかもしれません。

最後になりましたけれども、物件の取得・運用をとりまく環境というのは、必ずしも追い風ではありませんけれども、我々としては次の一手、さらにその先の一手を着実に打っていきますので、引き続きご支援を賜りますと幸いです。ご清聴、ありがとうございました。